「横浜学 ~横浜と橋~」の感想 - 恰幅の良い彼のblog
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「横浜学 ~横浜と橋~」の感想

関東学院大学と横浜ウォーカーのコラボ講座「横浜学」。

第16回目のテーマは橋です。

橋・・・このブラタモリ的な地味テーマに、
”年末年始の開運スポット”や”春色いちごスィーツ”等にトキメキがちなウォーカー読者がどんだけ食いつくのか!ハラハラしちゃう!

会場は相変わらずオールド世代ばっかだしな!

DSCN0820.jpg

一人目の講師は横浜都市開発記念館の方で、
テーマは歴史遺産のとしての橋です。

関内から吉野町あたりの土地は元々入江だったのを
吉田新田等の埋め立てによって、陸地化したもの。

かつての海岸線を示す大岡川や中村川、
今は地下鉄になってしまった中央を貫く中川、
元々チョロっと突き出ていた陸地の根本を削り
居留地を切り離した堀川(石川町→山下町)等、
水路も整備されて、小舟を使った水運もよく行われていた。

開港以降は橋が関内関外を隔てる関所の役割も担う。

”鉄の橋”として知られる吉田橋は、
明治2年に木造から架け替えられた、日本で二番目の鉄橋。
明治44年には翌年の市電開通のため鉄筋コンクリート製になる。

関東大震災でこの地区の橋のほぼすべてが落ち、
残った吉田橋に火災から逃げる人々が殺到した。

その後、震災復興計画によって架けられた橋は今日でも見られるが、
それぞれに凝ったデザイン性があって、非常に面白いものである。
打越橋や櫻道橋等、横浜には現在41橋残っており、
これを保全していきたいとのこと。

昭和30年以降は高度経済成長期を背景に
自動車が普及して、街に高速道路や地下鉄が設置されていく。
これに伴い、運河の風景も次第に薄れていく。

面白い写真がたくさんあったのですが、
残念ながら、ここでは紹介できません。資料館に行ってくれ!

DSCN0821.jpg

二人目は産業考古学会の会長さん。
東京と横浜の橋梁配置計画やアーバンデザイン思想の違いについて。

橋には荷重にどう対応するかで
桁橋、アーチ橋、つり橋の3つの基本形があり、
道路を、構造の上に通すか、中に通すか、下に通すか、
他にトラス橋、斜張橋など、いろんな組み合わせで40前後のパターンがある。

日本の近代の橋は震災後に架けられた復興橋梁から始まっている。
東京には425本、横浜には178本架けられ、
それらの技術が全国に伝わっていった。

ポイントとなる隅田川には、元々米英式のトラス橋がかかっていたが、
震災後はドイツ式のアーチ橋など最新式の橋が架けられ、その数も倍増した。

隅田川では全ての橋梁形式が見られ、”橋の博覧会”とも言われている。
これは今でも橋巡りの水上バスなどで楽しめる。

男性的でガッチリした永代橋、女性的で優美な清洲橋など、
”帝都の門”としての威容を表現すべくデザインされている。

隅田川を堺に架けられた橋のタイプが異なる。
皇居側はアーチ橋が多く、景観を重視しており、
下町側はトラス橋が多く、工業向けの仕様となっている。

また帝都から離れるにつれ、クオリティが落ちていくような、
橋のデザインヒエラルキーも存在している。

神田川の橋は基本的なアーチ橋の設計は同一だが、
親柱や細かい意匠で、デザインに変化をつけている。

かつて自然発生的に形成された橋詰広場や緑水ネットワークを、
必然性が無くなった後も意図的に整備しようとしている。

一方、横浜の復興橋梁に関しては、
やはり帝都が優先され、十分な予算が下りなかった。
さらにいえば、橋よりも港の回復に重点が置かれた模様。

橋の特徴としては、ゲートしての威容や景観よりも、
水運の利便性を重視したもので、橋詰広場なども作られなかった。

橋の設計は関内地区重視で、
たとえば横浜駅エリアなどと比べて、クオリティに差がある。

デザインが重視されたのは、川でなく
打越のアーチ橋など、山越えの景観演出において。

話は非常に面白かったんだけど、
内容の大きさに対し、中盤からかなり時間が足りなくって、
非常にもったいなかったです。

DSCN0822.jpg

三人目は関学の理工学部教授で橋の構造について。

桁橋は敷設された路面ではなく、
その下にある”桁”のたわむ力によって荷重を支える構造。

アーチ橋は上からの荷重を
曲線形に配置された構造物内部の圧縮力に変換して支える構造。

トラス橋は骨組みに発生する引っ張る力を利用した構造。

吊り橋は桁橋をケーブルで釣ったもので、
支える構造としてはケーブルの力がメイン。
橋の全長に対し1/6~1/10程度の塔が必要。

斜張橋はやはり桁橋をケーブルで釣ったもので、
支える構造としては桁橋の力がメイン。
橋の全長に対し1/2~1/4程度塔が必要。

それぞれの型の使い分けは経済面の要素が大きいが、
適する長さとか、橋脚を作れない等の地形的な要因も加わっている。

ちなみに吊り橋って、我々が想像するよりも柔らかいものらしく、
明石海峡大橋は想定重量が乗ると、
橋の中央部が約10mもたわむのだとか!

東京にレインボーブリッジも吊り橋で、ケーブルを引っ張るため
両端にテニスコート12面分のアンカレイジを確保している。

横浜ベイブリッジや鶴見つばさ橋は同じ斜張橋だが、
前者はケーブルが両側に貼られ、後者は中央のみ。
塔もH型と逆Y型、桁もトラス型と偏断面一体型とタイプが異なる。

つばさ橋の方は横にもう一本、橋が作られる計画があったので、
二本列んだ姿を完成形として設計されていた。

東日本大震災でベイブリッジも損傷を受けたが、
地震の揺れ以外に、風による揺れの影響も大きく、
ベイブリッジ等ではほぼ同じくらいの力がかかっている。

特に風の影響を受けるのはケーブルで、
つばさ橋は日本で初めて、設計段階から風を考慮して作られた。
ちなみにもう一本完成してたら、さらに大きな影響を受けるのだが、
それすら考慮して耐震設計されているらしい。


座談会では市内の面白い橋として、
元々隅田川にかかっていたトラス橋が新山下運河に移設された霞橋。
解体されてしまったが、レンガ製の橋脚が珍しかった神奈川新町の浦島橋
復興橋梁である東神奈川スケートリンク前の境橋などの名が上がっていました。

冒頭に地味って、disっておいてなんですが、
講演として非常に面白く、もっといろいろ話を聞きたかったです。

地元のネタをとっかかりに、
こういうアカデミックな話題へ広げていくパターンは
へぇーと学ぶことも多く、大学主催の講演として王道だと思うな。

次回は「横浜と鉄道」ということで、
これも同様に聴き応えありそうだよね!
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-2 Comments

伊藤 さんのコメント...
関東大震災が起きたとき、
堀川を渡る橋が落ちてしまって大変だったと
何かで読んだことを思い出しました。

>橋の中央部が約10mもたわむのだとか!

たわんでも大丈夫なようにできているのでしょうけれど、
想像するとちょっと怖くなります。。。
2016.01.29 | #LkZag.iM [edit]
管理人 さんのコメント...
>伊藤さん
橋は3つしか残らなかったんだとか。
そもそも、あそこが”堀川”ということも知りませんでしたよ!
2016.01.31 | #- [edit]

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