「ちきゅう」の一般公開に行ってきた - 恰幅の良い彼のblog
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「ちきゅう」の一般公開に行ってきた

今晩はおでんを仕込んでいました。

我が家では北風の気配をちょっとでも感じると、
条件反射のごとく、おでん材が買い込まれてきます。

ここまでは良い。

しかし問題は、食べて減った鍋の中へ、
新たな具材が足されていくことなのです。

これじゃ、いつまでたってもおでんの夜が終わらない。
オデン・オブ・ザ・デッド状態じゃないか、母さん!

おでんといえば、ルーツに近い味噌おでん、
しょうが仕立てや魚粉を使ったものなど地域色もあり、
また近年ではカレーやトマト仕立てのそれが出現して、
マンネリ感も解消されつつあります。

でも、やっぱシンプルな関東炊きがしみじみあたたまるねってことで、
ロシアに亡命してしまった元CIA職員もいます。

エドワード・素のおでん

歌丸です。

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さて、心に北風を感じるだけの、
何一つ関連もない前フリで失礼しましたが、

海洋研究開発機構の調査船「ちきゅう」の見学会に行ってきました!

場所は横浜だっつーことで、
大さん橋や新港に入るのかなと思っていたのですが、
集合場所の赤レンガ前から、バスに揺られて、
本牧ふ頭のD突堤までやってきちゃいましたよ。

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「ちきゅう」 デカッ!!!

考えてみれば、この櫓がベイブリッジをくぐれるわけがない!
海面から120mはあり、世界一高い船なんだそうですよ。

マリンタワーよりも長ぇ!

また、船自体も豪華客船並に大きくて、
会場内を目一杯下がったのですが全景を写真に収めること能わず。

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「ちきゅう」は地球深部調査船つーことで、
海底を掘削して、地層のサンプルを採ってくる船なのであります。

んでもって、地震のメカニズムや太古の生物や気候の痕跡を探り、
生命や地球環境の謎を解き明かすミッションがあります。

現状、水深2500m+海底下7000mを越す掘削対応が可能で、
この先、ドリルなどの技術の改良を重ねることで、
人類未踏のマントルへ到達することを期待されています。

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なんで、わざわざ海に出て掘らなきゃいけないかというと、
同じ1万m掘るのでも、地上から岩盤やらをガリガリ掘り進めるより、
水深+地層の方が堀りやすく、マントル到達まで早いんじゃないかという話。

船底中央には穴が空いており、
そっからドリルを地底へと伸ばしていく仕組みです。

この高い櫓は長いドリルパイプをおっ立てるためのもので、
船上でどんどんつなげながら送り込んでいくのですね。

さらに櫓の中にはトップドライブという回転軸があり、
パイプを毎秒2,3回転のゆっくりで回していくのです。

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今回は「ちきゅう」就航10週年記念の見学会です!

就航以来、年1、2回のペースで
様々なミッションをこなしている感じかな。

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一旦海に出ると、何ヶ月も寄港できないため、
補給などはすべて海上で行うことになるようです。

そこで頭んとこのでっかいヘリポートが活躍します。
勤務は概ね一ヶ月交代みたい。

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医務室。

乗員は船員+技術者+研究者で150名くらいと聞いたような。

この大きさの船に、たったそれだけなのかと思うのですが、
タンカーとかは20人ちょいで動いちゃうみたいなので多い方なのかも。

日本の船ですが、国際プロジェクトを担っている関係で、
各国からの乗船があり、公用語は英語みたいですよ。

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救命ボート。

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ちなみにボートは誰がどれに乗るのか決まってるのな。
タイタニックみたいな早い者勝ちじゃないんだな。

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港からここまで、階段を上がってきて、
デブの足はすでにパンパンですわ。

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ブリッジです。

ドリルの軸をつなげながら海底を掘っていくわけですが、
問題は海上に潮の流れや波があり、強い風が吹くということ。

同じ箇所を掘っている間に、
船がズルズル流されちゃマズいわけですよ!

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「ちきゅう」のすごいところは、
優れた自動船位保持システムによって、
水深の1.5%の半径以内に船をとどめておくことができる能力。

このため、船底には360度の水平回転が可能な
6つのアジマスラスターがついていて、
船の位置を常に微調整しているわけです。

カッケー!

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横浜港の海図ですね。

船の位置はGPSと音響測位システムのダブル仕様。
後者は掘削地点の海底に沈めたトランスポンダから信号を受信します。

現場ではこんなでかい船を、
m単位で操船しちゃう職人技が炸裂するみたいです。

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海底から回収されたのドリルパイプは
これでもって櫓から運ばれてくんのかな。

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それでクレーンで釣られて、階下にストックされていく感じ?
今は何も置いてないけどね。

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ドリルパイプの中から抜かれた地層の試料は
ここでカットされるわけです。

パイプは9.mあり、それを1.5mに切りわけるんだそうな。

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試料のパイプはアクリルっぽい透明のガワであります。

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これはドリルパイプの接合部分のサンプルなのかな?

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ドリルの先端についているドリルビッドです。

人口ダイヤを使っていたり、
地質に合わせて、いろんな種類があるみたい。

真ん中に穴が空いてますが、この部分がコアの試料として、
内部のアクリルパイプに溜まっていく仕組みだと思います。

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しばらく使っているとこんな感じで摩耗してしまうため、
何度も引き上げて交換しないといけません。

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船内にはラボの設備もあります。

採れたてほやほやの試料を調査すべく、
研究者たちが手ぐすねを引いて待っているんだね。

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CTスキャンで内部の確認。

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これでパイプをパカっと両断します。

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微生物の研究室。

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嫌気グローブボックス。

いろいろやばいもんが含まれてる場合もあるのかな?

地層から採取された古代の微生物から、
最悪のパンデミックが発生してハリウッド映画化的な!

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X線で試料表面の元素化学組成を分析する
蛍光X線コアロガー。

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コアイメージマルチセンサーコアロガー。
なにやら分からんけど、表面を撮影する高性能カメラ?

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古地磁気研究室。
船上に設けられた世界初の磁気シールドルームで、
この中で資料に含まれる微細な磁気を測定したりします。

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八戸沖で採取されたコアのレプリカ。

2000万年前の浅い海の地層で、
石炭層の中に貝殻の化石などが混じっています。

ちなみに採取された本物は、
高知にあるコア研究センター等で保存しているみたいよ。

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”奇跡のコア”のレプリカ。

プレートが動いて、
他のプレートの下に滑り込んでいく際に発生する歪み。

この力の開放が地震発生の仕組みと言われていますが、
”奇跡のコア”は南海トラフで採取された2つのプレートの境目の試料で、
その仮説を証明する手がかりになるもの。

よくぞ取れた!研究者大興奮!ということですが、
文系バカの私はフーンて感じ見ています。ごめん。

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掘削の際の削りクズであるカッティングスの試料かな?

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再び船外へ。

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無数のパイプやらがマニア心をくすぐります。

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積み上がったライザーパイプ。

これは船底から海底までをつなぐもので、
中をドリルパイプが通り、泥水が循環していきます。

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長さは27メートル。
約100本を積んでいます。

「ちきゅう」ではライザー掘削法という、
石油掘削などに使われる技術が使われています。

ただドリルだけで掘り進めると、
地中の圧力により穴が崩れて埋まってしまうのだそうです。

ライザー掘削法では、特殊な泥水をドリルの先端から注入しながら掘削し、
穴中の圧力を高めて、地中のそれと均衡させるとともに、
穴の表面をコーティングする効果もあるみたい。

さらにこの泥水は削りカスを一緒に船まで持ち上げるので、
穴がつまらないし、船内で異物を濾して、
また先端に送り込むような循環システムができているようです。

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パイプかと思ったのですがライザーテンショナーといって、
パイプのサスペンションみたいなものの空気圧タンクみたいです。

m単位と行っても、やはり船は動きますし、
海流を受けて、パイプ自体もたわむと思うので、
折れてしまわぬよう調整を行っているのでしょう。

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これは海底の穴の入り口に設置する噴出防止装置。
掘った穴から石油やガスなどが漏れ出してくるのを防ぎます。

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船の後方はラーザーパイプの置き場になっています。
「ちきゅう」の積み荷のほとんどは各種パイプなんだそうです。

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船というよりは浮かぶ工場といった感じ。

とにかく巨大ですな。

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会場が本牧埠頭だったので、
現地集合というわけにはいかず、
バスのピストンとなりましたが、手配はスムーズでした。

事前予約で人数も絞ったわけですが、
階段の登りが多いことと、船内の狭い通路を進むこと、
とにかく順路が長いということで、なかなかお客が捌けず、
見学列は遅々として進まない感じでしたね。

でも、なかなか見られない船なので、待つ価値は十二分にあったな!

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お土産にピンバッチをもらい、
「ちきゅう」カレンダーを買って帰ってきました。

JAMSTECは追浜に本部があり、
毎年、施設公開も行っているので、
そういうタイミングでまた公開する機会もあるでしょう。

その際は皆さんも是非行ってみてください!
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4 Comments

し~ま さんのコメント...
なにせデカい船ですよね。
さきの震災では八戸で津波前に潮が引いていき、底づきしてしまい、スクリューの一つが外れてしまったとか。
海上自衛隊が海底の様子を調べるまで、3日間動けなかったそうです。
2015.11.28 | #- [edit]
管理人 さんのコメント...
>し~まさん
喫水はそれほど深くないって話でしたが、
なんとか生き延びることが出来て良かったですね。
2015.11.28 | #- [edit]
すずめ四季 さんのコメント...
とても詳しく、大変興味深かったです^^
2015.12.10 | #- [edit]
管理人 さんのコメント...
>すずめ四季さん
サンキュー!
船の人にいろいろ聞きたいこともあったのですが、
シャイ故に話しかけることが出来ませんでした!
ヲバちゃんとかスゲーよな!
2015.12.12 | #- [edit]

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