やっぱプロにはかないません 【10周年⑤】 - 恰幅の良い彼のblog
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やっぱプロにはかないません 【10周年⑤】

元々活字を読むのが好きだったこともあって、
業界へのリスペクトがありました。

でも、一方で不満も感じてたのです。
情報誌を開いて、なんでこんなショボい店しか載ってないのかと。

観光地や繁華街であっても
取材対象は手垢つきの定番にとどまり、
ガイドブック等は何年も内容が変わらない状況でしたよね。

お前ら、ちゃんと仕事しろよなと!

イケイケの頃は「いまさらこのネタの後追いかよ、フフフん」ってな感じで、
商業誌に先行していると感じていたブロガーも多かったんじゃないかな。

しがらみに縛られない正直な感想を書けること。
商業ベースに乗らないニッチな対象もケアできること。
紙面のスペースを気にせず、必要な情報を詰め込めること。
365日、24時間、好きなタイミングでリリースできるスピード感。
その他、”好き”に由来する、割にあわない熱意や
発信者の裾野の広さを活かしたフットワーク等が、
ブロガーの利点と言われ、その価値が喧伝されました。

確かにこれらの要素が上手く機能すれば、
既存のメディアの価値を上回ることは確実です。

しかし、ブームがしぼんだ今、改めて見まわしてみると、
そういう理想的なブログがいくつあったのでしょうか。
ほとんどがゴミのまま消えたように思えます。


一方でプロの刊行物の安定感ですよ。
10年続けてみて、やっぱり敵わないなという身の程を噛み締めています。

私もちょこっとだけ舞台裏に触れましたが、
実際のところは、筆力や企画構成力はもとより、
情報のアンテナもこちらよりよほど優れていました。

良店が載らない”大人の事情”というのも、
金を出した店しか宣伝しないようなゲスではなく、
これ以上混むと困るから等という理由で、
先方に取材拒否されている場合が多いみたいですね。

知らなかったのではなく、載せられなかったのです。

もちろん、一部のTVにはダメ対応も目立ちましたし、
会社や人にもよるとは思いますが、
現場では我々趣味の輩と比較にならぬほど、
しっかり努力されているのだなという印象です。


プロが仕事として書くことは、
確かにいろいろな縛りも生みますが、
同時に責任やクオリティの確たる裏付けにもなります。

ここはものすごく大事なポイントで、
市井からの発信が、どうしてもハンパに終わってしまうのは、
やはり、まともにマネタイズされなかったからなのでしょう。

もちろん、Google様のAdSenseにより、
細かな露出に小金が生まれる素晴らしい仕組みはできています。

しかし、労力に相応する単価かというとそれは程遠く、
それも上がるのではなく、下がっている様子。

最近はブログ記事の外注も公募されていますが、
1記事まとめて100円とかのブラックな水準に驚きます。

ネットではタダ読みが基本ですし、
思ったほどお金が生まれる市場では無いのかも知れません。

もちろん、我々は好きでやっていることではありますが、
余暇時間という限られたリソースを配分する中で、
更新作業にどれほどの優先度を割り振れるのか。

ことが気軽のレベルを越え、労力が楽しみを上回り始めたあたり。
単なる手慰みを越えた価値を発揮できるようになるほんの少し前の段階で、
その先が続かなくなってしまうのは、実にもったいないことですね。

ここで背を押し、先を引っ張る何かがあれば、
読み応えのある、そして、ちゃんと更新されるブログが、
もっとたくさん生まれていたのかもしれません。


執筆環境の他に、素人とプロを分けるポイントは
取材対象に話を聞くか否かという部分だと思います。

自らの印象だけを元にした食レポを何千も書いていると、
どれもこれも似たような内容になって、さすがにウンザリしますね。

感受性や表現力、創作力のどんづまりがあっという間に見えますから、
なるほど、作家さんはスペシャルなんだなと思い知ります

一方でプロの書く記事は、食材のこだわり、調理の工夫、
店主の経歴や開店の経緯等、先方発の情報で埋められることが多いです。

これだって文章のパターンはいくつもありませんが、
それでもお店ごとに異なるネタがあるので、物書きには困りませんね。

読み手にとっては、普通に食事するだけでは得られない情報の価値。
メディアの権威を背景に、そうしたネタを引き出せる点はやはり有利です。

もっとも我々が雑談で聞けない話でもないので、特権ではないですね。

例えばラーメンブロガーなどは、
こうした厨房の奥とのコミニケーションを密にして、
他の食分野よりも一歩進んだ発信の文化ができていると感じます。


逆に記者の個を立てたコラムでもなければ、
プロの記事に”私”視点が入ることはめったにありません。

もちろん編集の段階である程度の意図は乗りますが、
きっと公正を期する距離感があるのでしょう。

でもさ、記者会見などを元にした記事って、
結局、各社ほぼ横並びになるじゃない。

100人のブロガーが100通りの個性を出すには、
プロのような”公”のスタイルではなく、
”私”を中心に据えるしか無いんだと思うのよ。

この期に及んで、ブログで勝負したい人は、まずしっかり顔を晒して、
言ったもん勝ちの肩書などを猛アピールしちゃって下さい。

きっと、分かりやすいポジションやキャラクター勝負になると思うのです。

文章で個性を出すのは相当難しく、
それが普通にできるのならばむしろ作家を目指した方が良いでしょう。

それに案外、記事内容は精査されませんからね。
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-8 Comments

伊藤 さんのコメント...
10年間やってきた方のお話を伺える機会なんて
そうはありません。
プロとかアマチュアとか関係なく、
世界に一人しかいない恰幅さんの書く記事が面白い
と思っている人間がいることを、ここに書かせてください。
2015.08.30 | #LkZag.iM [edit]
管理人 さんのコメント...
>伊藤さん
うれしいお言葉、有難う!
一応、一区切りなので語ってますが、
もっと長い人がいくらでもいるからね。
2015.08.31 | #- [edit]
桃猫 さんのコメント...
遅ればせながら、10周年おめでとうございます。長く続けることは、ほんとうに難しいことですね。自分にも震災時にはサイトを閉じるべきか悩んだ時期もありましたが、今はもう、あまり難しいことを考えず、好き勝手風に歩んでます。インスタグラムやフェイスブック、TwitterやLINEの登場からブログの存在感も変質しました。どうなっていくのかは、あずかり知れぬことですね。
2015.09.03 | #halAVcVc [edit]
管理人 さんのコメント...
>桃猫さん
本来、マイペースが許されるはずなのですが、
実際は力を抜いて長く続けられる人は少ないようですね。
新媒体それぞれに良さがあるのですが、発信が細切れにされ、身近な範囲に狭まってきているように感じます。
それが簡単で、身の丈にもあっているのでしょうが、あまりに最適化されてしまうと、余白にあった面白みも失ってしまうようで寂しくも思います。
2015.09.03 | #- [edit]
bはbulkのb! さんのコメント...
根岸の某洋食店の情報を検索していて、
旧HPの記事にたどり着いたのは何年前だったか。

あれ以来、
仕事や身内の不幸やらで忙殺されたときや
3・11以降の恰幅さんの長期のお休みのとき以外は、
ほぼ毎日こちらのサイトを訪れてきました。

更新されていると、
それが見知らぬ土地の記事でも、
自虐と率直がないまぜになった文章に、
ときに爆笑、ときに首肯してきました。

なかなか更新されないときは、
「タダで読ませてもらっている身だから」
と、分際をわきまえて、
失望と期待の均衡を崩さないようにしてきました。

そして、仕事や用事で知らない土地を訪ねるときは、
事前に新旧HPのサイトで
その土地のお店の記事をあれこれチェックしてと…。

で、何をお伝えしたいかというと、
恰幅さんがいつか「もー、やーめた」となっても、
ネットのどこかにサイトは残しておいてほしいのです。
これだけの食文化の(極私的)記録は、
大袈裟でもなんでもなく、
21世紀のまぎれもない文化遺産なんですから。

今後ともどうぞよろしくお願いいたしますm(_ _)m
2015.09.03 | #- [edit]
管理人 さんのコメント...
>bはbulkのb!さん
超うれしいです。
たとえ僅かでも見知らぬ読者の生活の中にうちのサイトを読んでくれる時間が存在したいうのは、すごいことだと思っています。
このシリーズ始めてから、10回目に引退なんじゃないかと言われるのですが、そういう話ではないのですよ。シケたグチが続くので心配させちゃってますが、実生活が平穏な限りはなんとか続ける気でいます。
2015.09.05 | #- [edit]
おおしま さんのコメント...
初めてコメントさせていただきます。10周年おめでとうございます!

生まれてから数年前まで横浜に住み、今現在は横須賀に住んでます。
横浜の山手に住んでいたときから恰幅さんのブログを読まさせていただいてますが、恰幅さんの独特の何か微笑ましくなる文章に(時に爆笑します)仕事の疲れが癒える事が多く、いつも感謝しております。
以前、金沢文庫かどこかの、とても駅から遠いカフェに行く道のりをひたすら写真付きで書かれていた部分とか非常に面白く、プロではできないものを恰幅さんはお持ちで、僕などはただの仕事的な情報よりもこういうところに惹かれております。

横須賀に移り、色々な行事などの情報もこちらのサイトを参考にしています。
今後も期待してます!!
2015.09.06 | #- [edit]
管理人 さんのコメント...
>おおしまさん
不思議なもので、本人が気合入れて書いた記事に必ずしも反響あるわけでなかったり、スラっと流したものがかえってウケちゃったりするのです。
きっとネットに放った時点で、記事は私だけのものではなくなるんですね。
2015.09.08 | #- [edit]

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