いまさら「ヨコハマトリエンナーレ2014」の感想その1 - 恰幅の良い彼のblog
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いまさら「ヨコハマトリエンナーレ2014」の感想その1

散る桜の中で、ふと、遠き青春時代を思い出します。

あの時、もう少しの勇気があったなら、
今頃、自分はどんな人生を送っていたのか・・・

チャンスの女神は蓮舫バリに後ろ髪を刈り上げているみたいですが、
何事も大事なのはタイミングなんだなぁと黄昏れる今日このごろ。

とっくに終わった美術展の感想を、
半年も経ってからUPするという機の逸し方は、
さすがの私、何一つ成長していないところであります。

そうはいっても、この書捨てブログの中で、
次回読み返すであろう数少ない記事なので、
やっぱし記録はしておかねばという奮起です。

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さて、会期が終わってからのタイミングで唯一良かったのは、
入場者数についてのガッカリ話を拾える点でしょうか。

事業費もどーんと弾んで、鼻息荒く挑んだ割に
前回の33万人に大きく及ばぬ21万人に終わったらしく、
外部監査からも問題が指摘されたとのこと。

まぁ、難しいところだよな。
催しの価値が2/3に減じていたわけでもないと思うんだよ。
むしろ美術展としては今回の方が食いごたえがあったような気もするの。

前回は折り悪く大震災直後のタイミングで、
計画も定まらないまま、人も作品も手近なところでやっつけたのが、
コンパクトで分かりやすい開催につながった怪我の功名。

諸々のイベントが自粛される鬱屈の中で、
被災地の手前、脳天気に遊ぶのは憚られるけど、
美術鑑賞ならばまぁ・・・という慎み心理が大きく影響しつつ、
実体以上に数字を伸ばしたんじゃなかろうかと考えます。

そもそも総入場者数といっても、
奴ら、会場ごとに重複カウントして偽装したりするので、
チケット実売数の方で見てみると全5回の推移は
17万→12万→9万→前回17万→今回10万となります。

やはり減っているのは確かなのですが、
前々回と比べると、まぁ分かる数字。

むしろ前回をイレギュラーとして、
別枠評価すべきなんじゃないのかな?

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では、内容について振り返ってみましょう。

今回はディレクターに森村泰昌を迎えたことで話題になりました。

いわゆる、なりきり名画の人で、
私は週刊誌等を通じてちらっと見たことがある程度。

どちらかというとキワモノ的なイメージがあったので、
どんな内容になっちゃうのかとハラハラ半分楽しみ半分だったのですが、

いや、意外とマジメなのな。

というか、深く問いかけてくるような哲学的内容だったと思います。

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テーマは「華氏451の芸術:世界の中心には忘却の海がある」

といわれてもさぁ

そもそも「華氏451」を読んだことがないというね!
それが何℃なのかも分からなくて、すかさずググったくらいだよ!

美術の世界ってば、こんな風にさ
教養や文脈をおさえていて当然じゃん的な気取りがね、あるよね?

お前ら、表現者として、もっと平易にできないのか!と言いたいわ。

こうして無駄にカッコつける代償として、
観賞の敷居も高くしているような気がするんだよね。
もっとも、その敷居に守られている部分もあるんだろうだけどさ。

そして、どうなのよ?
みんなは観に行きたいか?忘却の海をさ!
忘却の海が楽しみすぎて前の日、ワクテカするか?

やっぱり取っ付きづらい部分は否めないのかも・・・・

ただ、一方で、そんなのは実際に観るまでは分からんことだし、
記事等をさらっても、プレスリリースをなぞったものばっかで、
業界内はともかく、一般来場者にまで、クチコミが広がった痕跡は見られません。

もし責任を問うなら、リピート客を呼ばなかった前回なのかもよ。

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エントランスで迎えるシンボルは、
アートビンという巨大なゴミ箱。

失敗作をどんどん捨ててってくれってことです。

私は思わず、身投げしたくなりましたよ!

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これもいっぱいに溜まれば面白かったのですが、
末期でも、底の方にちょろりとたまっているだけで、
巻き込みという面では、いまいち不発だったような気がします。

一部、芸能人などを使ったPRの場にもなったりして、
そういうミーハーなのは、あんまいらなかったのかと思うのですが、
今回に対する主催側の超期待感というか、浮かれ気分も垣間見えました。

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作品は序章に続く11章のテーマに沿ってまとめられており、
初手からして「沈黙とささやきに耳をかたむける」ときたもんよ!

んでもって、真っ白なキャンバスなんかを展示して、
作者のささやき声が聞こえてきませんか?ってやるんだよ!

こねーし!

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しかし、ここで心強い助っ人が現れます。

ディレクターの森村さんが解説を吹き込んだ音声ガイド。
ある意味、これが一番気に入った作品かも。

よくある説明文を格調高く読み上げるものと違い、
実際に森村さんと一緒にミュージアムツアーをしているような、
身近で、暖かい語り口で、すごく良かったのよ。

これを聞いているか否かで、
会の評価もずいぶん異なってくるんじゃなかろうか?

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そんな助けなしで対峙したら、
私もなんか電波を受信してしまいそうな作品。

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よく「現代芸術は難解だ」「訳が分からない」という感想を聞きます。

好奇心の徒である我々は芸術作品を見ると、
つい「この作品は何を表現したものか?」「作者の意図は何なのか?」
を読み解こうとしますし、また正解にたどり着かねばならないとも思います。

それ故、婉曲な現代芸術については、
正解が見えないフラストレーションを強く感じてしまうのでしょう。

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しかし、正解は本当に作者の心の中にあるのでしょうか?

作者を知ること、コミニケーションが美術観賞の目的なら、
直接話をしたほうが手っ取り早くありませんか?

他人の心象がそんなに価値あるものなのでしょうか?

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もちろん、作品は何らかの想いや情動を乗せて作られるものですが、
それだけで構成されるのではなく、作り手が自覚しない要素が乗っかってきたり、
また、鑑賞者の目を通すことによって、別の価値が付加されたり。

結果として出来上がった芸術品は
作者の手からも大きくはみ出ているのかなと感じます。

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何が言いたいのかというと、
作品鑑賞に正解なんか無いんじゃないの?
結局のところ、自分がどう感じるかじゃないの?ってこと。

作者も意図や他者の評価がどうあれ、
自分にとって価値や魅力があるならならそれは宝だし、逆はゴミだってことで、
観賞に際しては、特に気負わず、がんばる必要もないんだと思ってます。

んなわけで、私も気楽に観て、感想を書くことも出来る次第。

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でも、こと感性に関していうならば、
芸術家や専門家の皆様は、自分よりはるかに豊かなものを持っているな。

私がパッと見て、鼻毛も揺れない事柄に、
こんなにも感じ、心動いているのかという驚きと感心。

観賞の深度だけでなく、根本的に視点の角度が違ったりもして、
言われてみれば、なるほどなと自分の世界が広がる経験もけっこうありますよ。

作品に対して、常に個でもって対峙するだけでなく
時には道連れを作るのもいいもんだなと、改めて感じた次第です。

スゲー長くなりましたが、音声ガイド良かったねって話でした。

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釜ヶ崎芸術大学は大阪西成で開かれている学びの場。

だれでも参加できる芸術文化学問の講座やワークショップを
年間40~60回も開催しているんだそうです。すごいな!

ドヤならば横浜にもご存知の寿町がありますが、
酒や賭博ならまだしも、芸術や大学なんていうイメージが全く結びつかないじゃん。

でもさ、経済成長を支えた後に使い捨てられ、
社会の片隅で忘れられていくだけの爺さんたちが、
ついに表現の声を上げ始めたんだっていう
そんな切り口でまとめられちゃうと嫌が王にも耳目を引くよな。

140905 034

実際、個々の素人作品はそれなりですし、
特に社会派な訴えも見て取れません。

でも、ドヤに芸術大学を開こう、
またはそこで学ぼうという気持ちや意思は
人としての文化や力強さを感じさせるもので印象に残りました。

第2話「漂流する教室に出会う」より。

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本当は展示通り11話の流れに沿って、
各話の印象的な作品を振り返るつもりだったのですが

今頃になって、写真を漁ってみると
7、8、9話がどこにも見つからないというね!!

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トリエンナーレは撮影できる作品が多いので、
こうしてブログで感想記事を書くこともできて楽しいです。

ただ、今回は比較的撮影禁止が多かったような印象で、
フォルダを見るとアレがないな、コレがないなという歯抜け。

とりあえず、なんとなくそれっぽく見える写真を掲載しています。

第五話「非人称の漂流」は、
法廷の裏にテニスコートというcourtつなげ。

だから何なのかは、よく分からんけど!

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読んだこと無い「華氏451」を大量発見!

でも、逆向きに印刷されています。
なぜ、逆向きなのかというと・・・忘れちゃった。

これが忘却の海か・・・

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「華氏451」をテーマにした第3話は、
覆い隠されたもの、裏工作、検閲などに抗う作品たち。

様々な国、地域の人々の血統を追った、
タリン・サイモンのポートレート集は
その背景として、深刻な社会問題がルポされており、
非常に生々しく観ることが出来ました。

作品はこれじゃないんだけどさ。

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バーミヤンをぶっ壊したタリバンの蛮行。

でも、アフガンにいる大勢の飢えた人々を目もくれず、
仏像の心配ばっかしてる西洋人に呆れて、
一撃くれてやったんだぜって言葉にもまた別の真実があるよな。

140905 048

第4話のテーマは「たった一人で世界と格闘する重労働」

自分の部屋に飾っておきたいナンバーワンは
福岡道雄の「何もすることがない」

この細かいものは全て「何もすることがない」という文字。
しかもご丁寧に掘り込んであるという!すごすぎ!

しかもしかも、このシリーズが他に幾つもあるという
どんだけ、ヒマを持て余してるんだというな!

とにかく、ものすごいパワーが込められた作品でした。

家族にいたら確実に病院送りにするよ!

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描き込みの密度という点では
古代の海を描く坂上チユキ の作品群もすごいわ。

やっぱり家族にいたらいろいろ心配しちゃうよ!

こちらは第6話「恐るべき子供たちの独り芝居」より

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これもちんまり高密度に作ってあって、
ずっと眺めていても飽きないわ。

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身を切られるような・・・

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今回、確かに見た目地味で、難しそうな作品が多かったんだけど、
一方で深く潜って観賞できるような、噛みごたえがある印象がありました。

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大テーマについても各章についても、
とりあえず出品作を分類しましたってパターンでなく、
明確な意図を持って構成、セレクトしており、
しっかりと仕事をしているじゃんて思ったもん。

いやいや、決して悪くなかったよ!というのが、
「ヨコハマトリエンナーレ2015」に対する私の感想になります

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そうそう、駐車場の脇にこんな部屋が隠れていたんだよ!
皆さん気が付きましたでしょうか?

動員減の責任をとって、
誰かが埋められてしまうのだろうか・・・

他に誰もいないし、不気味かつドキドキな体験でした。

忘却に絡んだ意図的な仕掛けかどうかは分からんけど
必ずしも順路に沿って、全てが見られる設計ではなかったような。

カフェの奥に設置された7話も見逃したらしいし・・・

その2に続く!
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