「風立ちぬ」で一番良かったのは予告ですよ - 恰幅の良い彼のblog
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「風立ちぬ」で一番良かったのは予告ですよ

ジブリの新作「風立ちぬ」を観てきました。

恒例の話題作りも見事、予告もとても良かったし、
監督を”宮さん”て呼ぶお歴々の評価も高くて、
これはすごい映画だっつー話だったんだよね。

でも、私はあんま面白くなかったな・・・

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のっけから、まさかの夢オチで出鼻をくじかれるわけよ!

もっとも、全編が宮崎駿の夢の中って感じなのかな?
なんかフワフワしてて、現実感に欠ける作品だったと思います。

要素は大きく3つ。

①動く!オレの大好きな乗り物大百科
②オレの思う堀越二郎、というかオレ
③堀辰雄原作、こんな嫁がロマンチック

これらを”とにかく昔の日本は美しかったんだ!”的ノスタルジーで包みつつ、
ジブリの美麗な作画や手堅い演出力で描き出したのが本作品。

堀越を主役に据えてるけど、だいぶ脚色されてるし、
人物として、またリアルな設計技師物語として、
題材を掘り下げる気があったのかは大いに疑問なんです。

むしろ実在の①を描くためのナビゲーターというか、
ぶっちゃけ、方便なのかもしれませんね。

キャラとしては、夢の中にやたら出てくる、
怪しげなカプロニの方に妙な重点がかかっています。

そもそも堀越とカプロニを繋ぐ強い友情って、
パヤオの頭の中にしかないような気もしますし、
真に描きたい対象は何だったんでしょうか?

好きで好きでたまらない零戦を作る前に話終わってるしな!

maxresdefault.jpg


作中で観客の涙を盗んでいったのは、
ほとんど③の要素なんじゃないかなと思います。

ジブリが珍しく大人の切ない恋愛を描いた部分で、
ありがちですが、実によく描けていると思います。

でも、これが堀越の物語と親和してるのかっつーと疑問なんだよな。

寝ても覚めても、頭の中には飛行機しか無いような朴念仁が、
突然、熱烈なラブストーリーの主役になるものかよ?
舞台は高原の高級避暑地だぞ?行かねぇだろ?

相手も時に快活、時に貞淑な芯の強い美人令嬢。
実は重病で、庇護が必要なか弱い存在だけど、
まとわりつかず、男の邪魔しないような、自分にベタ惚れ女なわけ。

いねーし!パヤオの妄想、都合良すぎだし!

七試の挫折からラストの九試の成功に至る間、
技術者としての悩みや葛藤、試行錯誤や成長が描かれる代わりに、
”LOVE”しか語られないなんて、どこか納得いかない気がします。

堀辰雄「風立ちぬ」と技術者:堀越二郎
そもそも、なんで、この2つを継ぎ接ぎしたのか?
やっぱ、飛行機だけじゃ、お客を呼べないからなのかな?

まさかの”堀”つながりだから?

img_1508216_53662528_1.jpg


今回、宮崎監督は重度の軍ヲタでありながら戦争大嫌いという、
自己の矛盾に答えを出したと言われていますが、
少なくともそういうテーマに正面から挑んだ作品ではないのでは?

機能する兵器と戦火を描く代わりに
大震災でお茶を濁したような気もしますし、
開戦前夜の兵器工場という舞台にも、なぜだか緊迫感がありません。

ただ、綺麗な飛行機を作りたいだけという戦闘機設計者に、
どれほどのリアリティがあるのでしょうか。

そういった意味でも、都合の良いファンタジーに終始したなと思います。

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庵野くんに関しては、皆さんの予想通りの棒でした。

棒であるがゆえに、たまに演技ができているとドキッとすることがあります。
それが特にキメ場面というわけでもないんだけどね!

少なくとも言外に何かを匂わせる余韻はないです。

ただ、むしろ、棒であることの問題よりも、
あのキャラクター画との違和感がデカイです。

もっとモッサリした脇役であれば、
これはこれでありかもってな具合に落ち着く話かも。

また、SEを人の声で作るという無茶な試みもありましたね。

全部ではないようですが、飛行機のエンジンやら風の音やら、
忘れたころに唇ビルビルでフェード・インしてきてイラつかせます。

作品の裏側にあるべき、音を作る場面を想像させる時点で台無しです。

百歩譲って、大震災における魔物的なイメージ、
手作りレトロな味を加える効果があるのかもしれませんが、
これはごっこ遊びの延長で、ワルノリだと思います。

TKY201306060332.jpg

そんなこんなで文句を書いてきましたが、
やっぱジブリ作品はすごいなぁとも思いました。

物語の主題はよく分かんないけど、
個々のシーン、描写はとても素晴らしくて、
それらを積み重ねていくだけで、なんだか体裁が整ってしまうんだよ。

そこへきてユーミングさんのエンディングとか!
訳わからんうちに力技で上手いことまとめちゃってるよね!

声優にしても、SEにしても、失敗している部分を、
ぎりぎりのバランスで上手く繕ってるような気がします。

独裁だなんだと言われながらも、
スタッフはそれぞれ、ちゃんと仕事をしているんだなぁと感じました。
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-5 Comments

ふ゛り さんのコメント...
これから観るので、超ナナメ読みで失礼させて頂きましたが、文字数からなかなか好感があったのだろうな、と思い、楽しみが増しました。
棒という文字が見えましたが、今に始まった事では無いので慣れております(笑
2013.08.16 | #qbIq4rIg [edit]
かおりん さんのコメント...
ご覧になったのですね。

私も先日見たときにいろいろ思うところがあったのですが、あれは「監督の走馬灯」だと感じました。だから本人が試写で泣いたのでしょうし、同じバックボーンを持つ業界の方々からは絶賛されるのではないかしら。

ラストの会話に出てくる「10年」、本人的にはナウシカから豚なんでしょうか。

2013.08.16 | #- [edit]
管理人 さんのコメント...
>ぶりさん
好感はないっす。
大勢が見て、共通の話題になる映画ってのは、
ジブリ作品くらいになっちゃいましたよね。

>かおりんさん
TV作品もありますし”10年”はどのあたりなんでしょうかね?
でも、好きな作品を好きな様に作れる立場になったのだから、
史実や”大人”に縛られること無く、自由にファンアジーすればいいのになと思いました
2013.08.16 | #- [edit]
kyoko さんのコメント...
感想から、コメントの返信まで、言葉にしたかった感想と一致してて(特に庵野さんのくだり)、映画を観てからのもやもやが解消しました。

ありがとうございました。

先日引退声明を聞いて、「だから好きにやったのね」とは思っていたのですが、
どうせなら、もっともっと自由な作品を最後に観たかったです(本当に引退されるのかはわかりませんが)。
2013.09.07 | #oClLaHTE [edit]
管理人 さんのコメント...
>kyokoさん
残念なことに我々が観たくてたまらないもんと、
監督が老骨に鞭打ってひねり出されるものとは乖離していますよね。
自由に好きなモノが作れる立場も良かれ悪かれだったのでしょうが、
最後になるなら宮崎アニメの集大成的なものが観たかったなぁ。
2013.09.07 | #- [edit]

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