もっぱら市内でくすぶる・・・というか、
近所の外食すら億劫になるくらいだったのですが、
久々に小旅行に出かけてきました!

向かった先は静岡の沼津です。
横浜駅から東海道線で2時間弱。
日帰りで十分行けちゃうような、このハンパな距離感!
家族からは「なんで沼津?」と呆れられての出発でありましたが、
こちとら河津桜を見に行くような風流は持ち合わせていないのですよ!
そう、行動原理はひたすらの食欲!
今思えば、福岡に奮発しておくべきだったけどね・・・
沼津といえば「たんけんぼくのまち」でありますよ!
しらないことが~♪おいっでおいでしーてるー♪
でーかけーよおー♪口笛吹いてさぁ~♪

豊かな海と山に挟まれ、温暖な気候の沼津は
古くから東海道の宿場町として栄え、
現在でも静岡東部の中核地としてビジネス拠点になっています。
また、漁業や干物等の水産加工業、茶やみかん等の農業。
工業では大手メーカーの生産工場なども多く、
産業バランスのとれた社会科勉強モデル都市ですよね。
子供心にもなんとなく「いいなぁ」と憧れる気持ちがありました。
そして、今回、満を持しての”たんけん”となりるのです。
ちなみに夜、ホテルでヒマを持てあましていると、
妹からも「おもしろ地図でも描いてろよ」というメールが届くわけですが、
なんと、この番組において、沼津が舞台になったことはありません!!!
お、おかしいな・・・

商業に関しては、
沼津駅を起点にいくつもの商店街が連なる規模にビックリ!
これらのお店が全て盛況であった姿は想像もつきませんが
最盛期の沼津はかんなり景気が良かったのではないでしょうか?
どっから金が湧いたんだ!

しかし、数多くのお店がすでにシャッター降ろしており、
駅に至近の一等地ですら、テナントが埋まる気配がないのが現状です。
まだ、それなりに生きているお店もポツポツあるのですが、
エリアが無駄に広い分、分散してしまっており、
共栄のメリットを出せない状態です。

まぁ都合よく外れの店から閉店していくわけではありませんが、
しかし、こんなになるまで無策であったのが悔やまれます。
目下、沼津駅前は超ヤバイということです。

夜は駅前ですら、5時を過ぎるとほぼ死んでしまいます。
つか、この銀座通りなんか昼間から死んでいるのですが。
よほどの田舎ならば納得もしますが、ここまで市街化されたエリアだと、
なんかもうちょっと遊び場があっても良いんじゃないかと思うのですよ。
沼津リーマンたちはアフター5をどう過ごしているのだろうか?

そもそも、若者どころか、人間が歩いていないから、
オッサンがぶらり散歩してるだけで、
前を歩くお姉さんに警戒されちゃう環境です。
根暗なデブだから?フゥフゥ言って歩いてるから!?
歓楽街だとも聞いていましたが、そっちの方の活気も感じられず、
逆に中で何をやっているのか妖しくもありますな。
健全な飲み屋の数からして多くはないし、
中からワイワイ楽しげな声が漏れ聞こえるような営業でもないです。
とにかく、寂しく退屈な夜です。

ただ、中心部の外をいろいろ走ってみると、
高層住宅こそ少ないものの、立派なお宅がびっしり建ち並び、
新築の現場も普通に動いておりました。
小さなコンビニなんかはバンバン廃業してるみたいだったけど、
人口がドンドン流出して、残るは老人だけというような干からび感や、
購買力がすごく弱まっているような印象はそれほど受けません。

実際、幹線道路には車が繁く往来しており、
飲食チェーンやショッピングセンターが軒を連ねて営業する風景です。
鉄道駅を基幹として中心街に人が集うような行動様式から
各々が自家用車で好きに動くような郊外型へ変化していったのでしょうね。
そんな中、駅前を再活性化するため、駐車場を確保したビルを建てて、
そこにハンパなチェーン店をぶち込む作戦はどうなんだろうか?
むしろ目指すなら真逆の内容だったのではないかと考えます。
大きいとはいっても売り場のスペースはハンパだし、
ハイブランドやローカルブランドで差別化されないなら、
更に大きいロードサイドのモールの方へ行っちゃうと思うんだよね。

観光については、旧沼津御用邸がやんごとなく整備されていますが、
我々観光客が目指すのは実質、沼津港一箇所のみと言っていいと思います。
干物の販売店や寿司や海鮮丼を食わす観光店が建ち並び、
近年では”深海魚”が一つのキーワードになって、
平日でもそこそこの観光客を呼んでいますね。
こちらには新たな資本も多く入って、
そこそこ上手くやっている印象です。
テーマソングが耳にこびりついて離れなくなる
「沼津みなと新鮮館」は中身も小気味良いですよ。
ただ、みんな車でやって来るので、
やはり集客は駅前の中心地とはリンクしませんね。

沼津と聞くと、住民は新鮮魚の尾びれでもって、
ビチビチと往復ビンタをされている生活を思い浮かべますが、
街場の魚屋さんや、飲食店含め、不思議と消費の痕跡が乏しいんだよなぁ。
そもそも港で鮮魚を小売するお店が1、2軒しか無かったし。

名産の干物に関しても、例えば駅前の中心部などに、
これといった地元向けのお店が見つかりません。
考えてみれば、日本一の生産量ということは、
大量仕入れと大量生産の体制が組まれているということで、
工場から直接流通へ流れて、そのまま近くのスーパーなどに運ばれている仕組みなのでしょう。
中小店が家内でほそぼそ干すような体制ではないのかもしれません。
それでも加工したての未冷凍品を持ってくることはできるはずなんだけど。

港のお店も、店先の網にそれっぽく日干していますが、
店のオバちゃん達が朝一で行うのは、冷凍品をその上に並べることで、
これがお客が来る頃にグダっと溶けてくる計算です。
そう考えると、わざわざここでお土産を買う意味はあるのかなと思います。
むしろ凍ったままとか、自分ちの近くのお店で買った方が状態良いもんな。

海鮮食に関しても、魚市場はちゃんと動いているのですが、
よくよく見てみると駿河湾あんてかんけーねーような、
北海のネタがメインになっていたり、冷凍品も多用されているようで、
どれだけ漁港脇の利点を味わえているかは疑問です。
そして、高い。
有名な「丸天」はコテコテな観光店ですが、意外に面白く頑張ってるし、
総合的に考えると妥当な選択肢なんじゃないかと思います。

さてさて、海鮮のイメージに隠れがちですが、
沼津にはなかなか面白い大衆食文化が見られるのですよ!
今回の旅の目的はそれらを味見すること!
まず、隣県とはいえ遠く離れた名古屋の名物、
あんかけスパゲティが、何故か市民権を得ています。
「ボルカノ」というお店が大元のようですが、
ケンタッキーすら無い駅前に3つも定番店が配置されており、
お前ら、どんだけ好きなんだという感じです。

そして、餃子が一風変わっています。
かつて戸塚の原宿に「大正亭」というお店があり、
そこで初めて食べて、意味不明だと思った”焼き茹で餃子”
後に沼津の「中央亭」にそのルーツがあったことを知って驚いたのです。
また、その謎餃子に対する沼津市民の狂乱ぶり!
この寂れきった商店街で連日行列&品切れを繰り返す奇跡です!

お菓子に関しては、一部にカステラを何かで巻きたがる傾向あり。
「冨久家」のイタリアンロールが全国的にも有名ですよね。
これも下手するとソッコー完売ということで、非常に焦りました。
ソウルフードという言葉がありますが、
一部の商品に対する支持については、なんでそこまでというか、
外の人間が容易に理解できないほどの熱量を感じます。
また、決して目立つような存在ではありませんが、
大福もケーキも作るような昔ながらの菓子店が市内に点在しています。
意外とお菓子好きなんだと思います。

今回はロクに廻れなかったのですが、
それっぽいカフェなんかもポツポツできているし、
たまに洒落たお店に出会うこともあり、面白い気配もないことはないのですね。
ただ、街全体を見回すと今開いてるお店も最末期で、
5年後10年後に続いてるかどうかは分からんところが多そうです。
その他、食に関しては、おみやげ含め、二十数店はご紹介できるかな?
今後、メインサイトでボチボチとまとめていきますのでお楽しみに!

井上靖先生!
なお、ネットでは下記サイトさんがとても参考になりました!
>気まぐれ野良の食べ歩き
>沼津ジャーナル