つぶされちまった、食べログに 【10周年⑨】 - 恰幅の良い彼のblog
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つぶされちまった、食べログに 【10周年⑨】

個人ブログ界隈は、総じて衰退傾向にあるようです。

かろうじて残っているのは、自らコンテンツを持つ半プロ以上の方々で、
彼らが読者と直接つながれる場としては、それなりに活用されるでしょう。

ただ、ネット論壇の面子もマンネリで、
あんまり新陳代謝しているようには見えませんよね。

そこらの素人がこじらせた規格外の面白みという
私の好きだった文化は、結局、育たなかったのかな。

確かに書き手の得られる対価の中から、
発信欲求やコミニケーションだけを切り取れば、
LINEやツイッター等、より簡易な媒体でも発散できちゃうんだよね。

私もチョロチョロつぶやいている間に、
サイト更新のモチベーションを吸われていくのを実感しています。


こと食レポの分野においては、
巨人「食べログ」の存在があまりに大きいです。

もはや街のインフラといっても過言ではありませんね。

私自身、新規のお店を調査する際は、
どこぞのブログではなく、もっぱら「食べログ」の検索です。

サイト管理者としても、お店の情報はいちいちメンテできず、
すべてが揃った「食べログ」にリンクを飛ばして代用してもらってますし、
宿題フォルダも食べログページのリンクでずらり埋まっている始末。

そうして「食べログ」の利用が日常風景になってしまえば、
あえてブログを立てるより、その中へレビューを書く方が自然なんだろうな。

様々な人間が多様な記事を書くブログも面白いのですが、
こちらが求めていない雑音も多く含まれますね。

単純に情報を探す立場からすると、統一されたフォーマットの中で、
食情報だけを抜き出して分類された方が、よほど利便性が高いのです。

店内で思わぬ出会いが楽しめる書店と、
欲しいものにダイレクトなAmazonの対比みたいなもので、
結局、Amazonが便利で安いみたいな、小書店のボロ負けです。

気になっていた飲食店の情報が、
まず世に出てくるという価値の段階から、
膨大な情報を整理抽出する価値の段階へ進んだということかもしれません。


しかし、あの「食べログ」がここまで育つとは!

当初は「東京グルメ」からの良質なレビュアーを抱えた、
「ライブドアグルメ」の方がだいぶん先行していましたよね。

「食べログ」にはお店の登録はあっても、肝心なレビューが一つも無い。
そこで、うちのような個人ブロガーの記事を抱え込むような動きで、
推奨でおだてたり、移行を代理するような引き抜きのオファーもありました。

でも、勝利の決め手は写真対応で先手を打ったことかもしれませんね。
デジカメやケータイカメラの普及に合致した流れをしっかり掴みました。

今では写真無しの食レポなんて考えられないからなぁ。
百聞は一見に如かずというポイントが核の一つになったのかもしれません。

その他、サイト設計のパクリだったり、荒っぽい拡大姿勢も見られましたが、
重鎮レビュアーも含め、体制が熟していたライブドアを尻目に、
ガンガン攻めていけたのが後発の強みだったのかも。

時を同じくして、グルメ評価サイトはいくつも立ち上がりましたが、
異なる視点やサービスが切磋琢磨する状況よりも、
巨大な一つに情報を集る利点の方が大きかったと思います。

評価アルゴリズムには未だ不満も多く出ていますが、
個によるばらつきも、母体が大きくなるにつれ妥当な着地点へ落ち着くもの。
この先、しばらくは「食べログ」盤石という気がします。

かつて、新良店発掘などはブロガーのステータスでもありましたが
プロ記者の取材力が、ブロガーの多人数にかなわなかったように、
さらに大きな食べロガー集団が、ブロガーの優位を終わらせましたね。

今や、こんなお店が!という超マイナーにも
しっかりレビューがついていて、驚かされることもしばし。
首都圏の店舗情報に関してはほぼ網羅できているような印象を受けます。

これに個人が対抗していくことは不可能で、
もう我々が鼻息荒く頑張る必要は無くね?って思っちゃうのです。


一方で、食べログが食ブログ界隈の楽しみを、
全部吸い上げているかというと、そうでもなさそうなんだよね。

まず、発信の原動力となる自己実現が難しいことが挙げられます。

ブログが書き手を核とした情報の集積であるのに対し、
「食べログ」はお店単位でバラされたパーツの集まりです。

どんなに面白く書いたレポも綺麗のとれた写真も
平坦なリストの中にぶっこまれてしまうことで、
書き手の色は薄まってしまいます。

もちろん、一部の先行したキチガイの名は、
嫌というほど目につきますが、今さら始めて、
そこに加わっていくのは至難でしょう。

一応、ランキングや慣れ合いのシステムもあるようですが、
どれもあまり上手く機能しているようには思えず、
食べロガー達のモチベーションの源泉は良く分かりません。


レポに関しても、書いてて面白いのかな?

俗に”食べログ文学”といわれるレビューが晒されていますね。
飲食店に関係ないような日記やポエム要素などは、
聞いてねーよ!っつーことで場違いとされるのは分かるのです。

でも、それを突き詰めていくと乾いた点数しか残らないんだよね。

食レポ要素に最適化された記事というのは、
やはり書き手の個性を奪うように思えてなりません。

そもそも自分語りなんて、ブログの中ならば普通じゃん。

さらに投稿内容にクソ理不尽な検閲までつく始末で、
日頃、自由な発信をしている我々には窮屈に感じますよ。

”ちょっと聞いてよ”には2種類のきっかけがあって、
一つは素晴らしい経験を共有、自慢したい気持ち。
もう一つは文句を言ってやりたい気持ちです。

商業サイトとして、トラブルを回避する事情で、
後者を極力排除していく流れはわかりますが、
お店の実像を示す意味では両者揃わないのはおかしいこと。

ネットでもマスメディアでも、
口当たりのいい話しか流れないようになったら、
その社会は素晴らしいのかというと、逆に気持ち悪いよね。


自ブログへの導線確保のためなのか、
気が付けば、数多くの食ブロガーが、
食べロガーしても、かけ持ちをされています。

ただ、少なくとも私はサイト運営活動の代替として、
食べログに移行することへ進化や未来を感じておりません。

ブログも途中で辞める人ばかりですが
勢いを感じる食べロガー達も実際はかなり短命なのかもしれませんね。

ただ、そうした早期脱落者のチョロ記事を、
決して手離さず、データベースへ貯めこむことで、
今日の大山を築いているのかも。

利用者としてはお世話になりっぱなしの「食べログ」ですが、
資産であるところのレビューをいかに書き続けさせるかという部分、
もうちょっと頑張ってほしくもありますね。

あと、スマホ有料やめてくれ!


最後に飲食店を評価することについて触れたいと思います。

調理や飲食経営の基本も知らない我々ですから、
本来は評価なんておこがましいことではあります。

味の感じ方は人それぞれだし、
その時々によって、料理の状態も変わる。

我々が普段、記事への異論に対して
口を酸っぱくしながら語っている逃げ口上です。

しかし、人それぞれと言いつつも、
食サイトや食べログがこうして成立しているのは、
やはりどこかに概ね共通する評価軸があるからなのだと思います。

お店の評価において、中心となるのは料理で、
誰もが、その味を問うているつもりになっていますが、
もしかしたら、それは必ずしもメインじゃないのかもと思うようになってきました。

例えば、「食べログ」の低評価は味や値段でなく、
ほとんどが接客対応のトラブルに起因するものです。 

確かにどんな美食もトゲトゲした中で食べらばおいしくありませんし、
逆にイチャイチャしながら食べる彼女のつたない料理は最高じゃん?

知らんけど!

とにかく、味覚というものはだいぶ曖昧で、
場の影響を受けやすいものなのだと感じています。

単純にどちらが良く味覚を刺激するのかという話ではなく、
もっと包括的な食事経験の満足を、お店や料理の評価として、
気づかずに語っていたのかもしれません。

もちろん今も、店の雰囲気やサービスを問う要素が組み込まれています。
しかし、イベントなりトラブルなりが発生しなきゃお店の対応力など分かりませんし、
たまたま隣席に座った人によって、食事の雰囲気などあっという間に変わるもの。

これらは料理以上に評価のしづらいポイントですし、
皆も言うほど気にはしてなかったのかもしれませんね。

それらに加えて、お客がそのお店に至るまでのストーリーや、
食べ手のコンディション、状況みたいなものも大きく影響してきます。

勝手に期待を膨らませといて、
それほどでもなかったというのは、お店のせいでは無いし、
そのお店で食べることが長い夢であったみたいな満足感があったり。

案外、余計と言われる自分語りの中に、
評価の共有に際しての、重要な情報が含まれているのかもしれませんよ。

結局、その人が幸せに食事できたのかどうかの記録なんだと思います。
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-13 Comments

Ca さんのコメント...
あたしも食べログを使っていますが、お店の情報(閉店や移転)をフォローするのにいいですね。勝手に更新されるから。
食べログは、ほんの僅かの報酬が効いている気もしますね。
ただ、あなたは何様?と思うような投稿(点数を含め)もかなりありますけど。
2015.10.04 | #Famlh/vQ [edit]
椿の『B級ご当地グルメ保存委員会』 さんのコメント...
私は個人ブログで書いているのみ食べログはやってませんが、
データベースとしては優秀だと思います。
今はRettyなどもありますし、ブロガーさんも様変わりし、
時代が変わったのを感じます。
2015.10.05 | #NEgFRlkQ [edit]
管理人 さんのコメント...
>Caさん
情報古くなっても、自分の力じゃ全くケアできないし、
そういうところは多くの皆さんの力を感じますね。
ところで食べログってレビュー書くと報酬出るの??

>椿の『B級ご当地グルメ保存委員会』さん
私も便利に使わせてもらっています。
気が早い話なのかもしれませんが、食べログ以後の可能性も見たくなってきています。
2015.10.05 | #- [edit]
Yuki さんのコメント...
ほんまさんのブログはいつも楽しみにRSSで購読しています。それに比べて、食べログは店中心で軸がレビューはほとんど参考にせず、メニューや写真などの情報が多いです。

やっぱ食レポは人の軸で感性を元にエントリーが参考になります!夫婦でほんまさんの新しいやつ見た?など哀愁ただよう雰囲気ですかね。グッときますよ。

> 知らんけど!

この一言にもキマす。個人ブロガーはレビューサイトと競うものでもなく違う領域なのかーと思います。

最近聞かないけどチャリンコで行っているという背景の話なども面白いです。そういうところもを含めて個人ブログが好きです!
2015.10.06 | #- [edit]
管理人 さんのコメント...
>Yukiさん
おっしゃる通り、別物なのですが、
読み手も書き手も結構かぶっていて、
両方を維持していく余裕もなさそうなんですね。
どっちが生き残るかという話になると分が悪いですね。
2015.10.08 | #- [edit]
さんのコメント...
このコメントは管理人のみ閲覧できます
2015.10.08 | # [edit]
さんのコメント...
このコメントは管理人のみ閲覧できます
2015.10.11 | # [edit]
管理人 さんのコメント...
>秘密さん

大変でしたね。

立ち上がり以降は追ってないのでなんともいえませんが、
うちではこれといった実害は無かったと思います。
ただ、どっかで線引してしまう気持ちはあって、以前のようにネット相手に無邪気に盛り上がることはできなくなりました。

かつて某掲示板に勢いがあった頃は、私も度々ヲチっていたのですが、我々凡人は特定のテーマに対する意見や感想を広く深く書き分けるができないため、表のブログとあまり変わらん書き込みになってしまうのです。特にローカルな板に書き込む人数って、たかがしれてるし、匿名に隠れているつもりは本人だけって状態でした。

批判は私自身も率直に書きますし、楽しく読んでしまうので、否定はしません。法に触れない範囲で自由にやればいいと思ってます。

やはり大事なのは入れ込みすぎないことで、適度な距離感を保って、自分を守るということに行き着きます。

悪意の澱んだ場所にいてもロクなことはないので、早々に決別することです。
2015.10.11 | #- [edit]
さんのコメント...
このコメントは管理人のみ閲覧できます
2015.10.11 | # [edit]
さち さんのコメント...
おひさしぶりです、さちです
と、いっても覚えていらっしゃらないかもしれないけれど
文体前のドルヴィをおすすめした(^^;)
私も最近食べログでれびゅーしてましたけど
もうやめました(^^;)
ブログでは食べ物の事はほとんど書いていたなかったので
食べログが最初は自分の好きな店記録になっていたんですけど
なーんかむなしくなりました
何千件も書いてる人とか、特典あるらしいけどコンビニとか。。ありえないかと
長々すみません!
2015.10.11 | #QSVbZ7ek [edit]
管理人 さんのコメント...
>秘密さん
私も知ったような口を聞いていますが、ネットとの付き合いが上手くできているわけでなく、むしろ、ダメな方にこじらせている部類の人間です。一度でも大変なことに巻き込まれてしまうと、トラウマを拭うのは難しいでしょう。でも、大局で見れば前に進んでいるんだと信じたい気持ちもあります。

>さちさん
ごめんなさい。
でも、大丈夫!コメント検索機能があるからね!
そんでもって、思い出しましたよ。「トルーヴィル」を教えてもらったことを。もう8年前だって!長い時を経て、また戻っていただけたことにちょっと感激です。
2015.10.12 | #- [edit]
ぽん太 さんのコメント...
今更ながら一連の記事を拝読いたしました。 私自身、たまに『ブログ、やってみたい気もするなあ・・・』と思うこともあるのですが、お前、人様に発信できるようなモノなんざ何も持ってねえだろ、と即座にツッコんで終了している日々です。 ほんまさんがどんなお気持ちでこのブログを書き続けていらっしゃるのか、食を取り巻く文化の変遷についてどのようにお考えなのか、赤裸々に語ってくださっていて、とても興味深かったです! 私も、他の読者の方々と同じく、単に食レポを読みたいわけではなく、ほんまさん独自の視点に惹かれて拝読しています。 なので、食以外の雑多な内容も大好きです。 講演、映画、宝塚含めたミュージカルなど、毎回楽しませていただいておりますが、ほんまさんがであった書籍についてなども、紹介していただけると面白そうですが、、、って、さらに忙しくなってしまいますよね。 お体に気を付けて、末永く続けていただきたいです!!
2017.04.11 | #X.Av9vec [edit]
管理人 さんのコメント...
>ぽん太さん
何もないのは私も一緒よ。単に発信してるか否かの差でしかないんだよね。
もし興味をお持ちなら、簡単にできて、簡単にやめられるので、試してみるのが一番ですよ。

食レポに関しても、ネットに無い情報を埋めていく段階はすでに終わり、キャラ込み、切り口込みで自分を売っていく形に変わってきていると思います。結局、オリジナルと呼べる要素はそれしか無いんだもん。

そして、それが素人の限界点でもあるのかなと思いますね。
なんてこと無い日常を面白く魅力的に書けるなら、プロの著述家になってるつーの!

そんなわけで、価値や意義ではなく、現実を直視しない惰性だけで、更新を続けている感じです。

本はスマホ買って以降、特に読まなくなってますが、案の定、元から乏しい文章力や知性がダダ落ちです。
2017.04.11 | #- [edit]

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