恰幅の良い彼のblog
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「君の名は」を観てきたよ

2016年は邦画、特にアニメの当たり年のようで、ヒット作が多く排出されていますよね。

特にこの作品はお茶の間にも派手に露出しつつ、めっちゃくちゃ売れているようなので、ラブストーリーや青春の甘酸っぱい話が苦手な私もすげー気になっておりました。

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「これってもしかして、俺たち(私たち)入れ替わってるー!?」

ということで、田舎に住む女子高生と都会の男子高校生の意識が入れ替わって、うんぬんうんぬんというお話です。

印象に残ったのは美麗な作画。キャラ絵も良いですが、特に力が入ってるのは丹念に描かれた背景だよね。二人の部屋、建物、大都会や湖畔の町のみずみずしい風景、雲海や流星のスペクタクル。まさに劇場大作を観たなぁという豪勢な仕上がりでした。

大ヒット作の弊害として、ネタバレを読まないように気をつけていたのに、いつの間にかストーリーを知ってしまうんだよ!そんなわけで、オチを薄々分かって観ましたが、ツッコミどころもあるよね。

あえて曖昧にもしてるんだろうけど、自分の意識を持ったまま入れ替わって、先方での記憶は蓄積するけど、こちらに戻る際は、おぼろげな記憶以外はほぼ持ち帰れないって状況でしょ。だから相手が誰か分からない。君の名はってお話。

でも、叙述トリックじゃないんだから、ニュース見て、授業受けて、友人等と話して、スマホ触って、さすがに気づく年数じゃん!また、入れ替わり中に本当の自分に向かってコンタクトもできるわけでしょ。

また、運命といわれればそれまでだけど、相手への想いはどこで育まれていたのか?入れ替わりを通して、互いを知り、惹かれる過程がもっと描かれても良かったような気がするし、一方で事後はもっとコンパクトにまとめられたんじゃなかろうか。

瀧くんは山に登ってばっかだし、動かす町民は多すぎるし、最後なんで説得できたのかも良く分からない。

もちろん、私もまっさきに揉むし、毎回揉むし、使い道なくても組紐買いそうだし、口噛み酒には萬金を払っても惜しくはなく、面白くは観ました。ただ、美術以外で社会現象になるような輝きがあったかというと、そこまでは響かなかったかなぁ。
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しかし、夏休みのデートムービーという、ファミリー向けでもオタク向けでもないアニメ映画の新たな市場を開いた感はあります。この成功を受けて、従来のアニメ視聴層よりももっと裾野を広げてターゲットした作品が増えていくのでしょう。

思えば、数年後に誰も覚えてないけど、コンスタントに制作されて、それなりに売り上げてしまう系の邦画がありますよね。三池や堤でやっつけるテレビ漫画発の作品だったり、福士蒼汰キュンと旬の若手女優が起用されて、イチャイチャしつつ、難病や奇跡で安易に泣かせにかかるようなベタなやつ。女子に誘われなきゃ絶対観に行かないようなヤツ!そういう市場は食っていけるから!

もはや今の若い世代はアニメに対する侮りや抵抗が無いし、役者なり予算なりの関係でどうしても情けなくなってしまう実写よりむしろ浮世の柵から外れた二次元のイマジネーションでもって、丸っこく体裁よく表現するのは全然アリでしょう。その際、万人向けに、変なクセは出さないほうが良いのかも。

あと、某鈴木Pの商才のせいで、劇場アニメの主演にはネームバリューのある俳優を使うパティーンも定着しちゃってるよね。それはそれで新鮮な味になって、うまくいったりしてるので、ちょい複雑でもあります。

今作の神木くんや上白石萌音ちゃんが達者ってこともあるんだろうけどね。エロい先輩役の長澤まさみすら違和感なかったわ。
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「この世界の片隅に」を観てきたよ

2016年は邦画、特にアニメの当たり年のようで、ヒット作が多く排出されていますよね。

特にこの作品は派手に露出しませんが、絶賛評が多く聞こえてくるので、泣きものや、かわいそうな話に弱い私もすげー気になっておりました。
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主人公のすずさんは空想と絵を描くことが大好きな女の子。
呉にある海軍官吏の田舎家に若くして嫁に貰われてくるわけです。

第二次大戦の広島を舞台にした作品なので、展開は自ずと知れています。しかし、いわゆる戦争映画の切り口と違って、非日常や悲劇性を強く演出してきません。もちろん題材はどれも重たいのですが、ぼーっとしてちょっと抜けたとこのある女子の視点を通して、当時の生活をほのぼの描く、いわば戦時日常癒やし系。まんがタイムきららなのであります。

題名にも片隅って書いてありますが、戦争という大きなドラマ、スペクタクル、戦う男達ではなく、あまり脚光の当たらなかった市井の風景や風俗を丹念に調べて、描いており、とても味わい深いものになっていますね。広島ではなく、呉。それも街の北端という距離感が一つの肝かなとも思います。

確かに戦時においても、国内には無数の日常、毎日の生活があったわけです。そこには辛いこと厳しいことだけでなく、ささやかな幸せや笑いもあったのでしょう。

それでもやはり終盤はほのぼのタッチの器から溢れ出てしまうような出来事が続けざまに起こります。しかし、悲劇の波に飲み込まれず、明日に向かうラストであり、そういう人々の力で、今日の我々があるのだなと感じます。

現代人から見るとかなりヘビーな人生を送る当時の女性たちへのリスペクトもハンパねぇっすな。348641_006.jpg
まぁ、すずさんが愛らしいこと!

のんさんの声もバッチリハマっておりますが、絵柄や仕草など、キャラの全てが相まっての魅力だと思います。

終盤になると周囲のおっさん達がグズグズ鼻をすすりだし、エンドロールまでもが泣ける仕上がり。

ただ、ガツンと衝撃に打たれるようなストレートパンチではなく、観終わった後にじわじわ効いてくるようなボディブロウのような作品でした。

監督が貯金を切り崩しながら、6年かけてこつこつ制作した。ファンがクラウドファウンディングが支えた。業界から干されている愛され女優が主演。ろくに宣伝も打てないカツカツ予算の小規模上演から、口コミでじわじわ支持が広がってきた等々。

つい肩入れしたくなる要素も満載なのですが、それらを差し引いても、素晴らしい作品であることは間違いありません。

上演館も限られているので、鑑賞はお早めに!

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